Home > ある男の人生 > ある男の人生1
ある男が、30万円を握りしめて福岡に出てきた。
夢や希望を胸に秘めていたわけではない。
ただ、自分の居場所を探していた。
男は、代々百姓の家に次男として生まれた。
「百姓に学歴は要らない。」
当時中学生だった男は、父親にそう言われ、進学することすら許されなかった。
来る日も来る日も、男は畑仕事に励んだ。
雨の日は仕事にならず、朝から晩まで酒を飲んだ。
「家を出よう。」
百姓として生まれ、百姓として死ぬという、終わりの見えている人生に物足りなさを感じた男は、そう決意する。
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